都市空間の歴史性を継承する市街地更新のための基礎的考察: 神戸都心を事例として

摘要

このように神戸の都心域は、成り立ちの異なる複数の地区で構成されており、それぞれの都市空間はその道路および街区形成がどのような事業によって行われたかにより特徴がある。旧居留地は街区を継承し部分的に宅地は併合され、建築は大規模・高層化している。栄町地区には、栄町通・元町商店街・乙仲通の3 つの通り型のまちがあり、栄町通りは間口規模が大きく方形の宅地が並ぶ。元町商店街と乙仲通りは、間口が狭く奥行きのある宅地になっている。こうした道・街区と宅地割は都市空間の基盤となる。この継承が都市空間の歴史性の継承につながるのではないかと考える。