大阪府北部地震の強震観測記録に基づく大阪湾沿岸部に建つ超高層建物の地震応答解析(その2) 強震観測記録を用いた地震応答解析

摘要

大阪湾沿岸部に建つ超高層集合住宅2 棟の基部で得られた観測記録を用いた地震応答解析により、2018 年大阪府北部地震時の建物上部の観測記録を再現し、地震による2棟の構造的影響を推察した。得られた知見を以下に示す。1) 1995 年兵庫県南部地震の経験による剛性の低下等を考慮した再現解析を行う場合には、既往の検討2)のように連続解析を行うことが有効である。2) 2018 年大阪府北部地震時の観測記録による頂部-基部の最大相対変位は建物①のY 方向で9.13[cm]、建物②のY 方向で10.1[cm]であった。また、解析結果は観測記録と良好に対応した。3) 解析による2018 年の最大層間変形角は建物①で最大約1/780[rad.]、建物②で最大約1/540[rad.]と、中層から上層にかけて大きい傾向を示した。今回の地震による2 建物への構造的影響は小さいと考えられる。