新住宅市街地開発事業による住宅団地の持続可能性に関する研究その7 室蘭市における公営住宅から戸建住宅への定着

摘要

室蘭市の公住は居住した世帯を地区内に定着させる機能を有しているが、定着の高さは地区によって異なる。白鳥台では定着した世帯数としては最も多く、定着機能が高いといえる。公住から転居した世帯の5 割が戸建住宅に転居しており、地方都市である室蘭市の特徴と思われる。そして、公住居住者アンケートの住み替え希望地区と公住転居者データの転居地区を比較すると、自地区型の過半数は他地区に転居しているのに対し、他地区型の過半数は自地区に転居しており、住み替え希望と実際の移動が異なることが明らかとなった。その要因として白鳥台地区では中古住宅の売却価格が安く中古戸建住宅を購入しやすいことが戸建住宅への定着に関係していると考えられる。