外国人居住者による外部空間活用事例とその成立条件に関する研究:神奈川県いちょう団地の実地調査を通して

摘要

現在、我が国では多様な国や地域から来た様々な生い立ちを持つ人が混ざり合い暮らしている。労働者人口の減少から、外国人が日本社会を担っていく可能性が言われる中、今後の急速な多国籍化と私たちがどう対峙していくかは重要なテーマである。　本研究では、日本人だけの集合住宅では見られないような外部空間の使われ方が確認されているいちょう団地に着目した。いちょう団地は30 年以上前から住民の多国籍化が進hでおり、現在700 世帯以上の外国籍住民が暮らしている。過去に垣野らによって屋外を利用する外国人居住者の存在が明らかになっており、それらの行為を下支えしているであろう外部空間および管理体制に着目した。