器楽演奏時の出音(タテ)のタイミングに着目したアンサンブルのしやすさ評価と関係する物理量の検討：小編成アンサンブルにおける考察

摘要

主観評価実験において、演奏者間の距離が離れることによりアンサンブルのしやすさに関連する評価値に変化がみられ、これは演奏者に対する反射音の到来の仕方が起因すると示唆された。この要素に着目した物理量としてREC カーブの観察結果から求めるCoRECC を定義し、その評価量とアンサンブルのしやすさに関連する「タテがそろったか」との間に良好な対応性がみられた。今後の検討として、その他アンサンブルのしやすさに関連する要素である「他の演奏者の音の聴こえ」や「音量バランス」の主観評価値にも着目する必要があり、各演奏者の音量差や直接音到達時間差の影響なども物理量に考慮していく必要があると考える。