インドネシアのカンポン住宅における空気質と健康に関する実態調査

摘要

インドネシアのカンポンはインフラが未成熟なまま都市内に高密度に形成された戸建住宅地であり、衛生環境の悪さが古くから問題視されていた。この劣悪な環境を改善するため1970 年頃から政府主導で住環境整備(KIP)が行われ、道路や側溝などインフラの面での改善が進hだ。さらに近年では、インフラの改善だけではなく自治会組織の改善など社会面での改善も行われている。しかし住宅は個人の所有物であるため、上記の改善対象とはならず、住宅内の居住環境には住宅間で大きな差が生じているのが現状である。本研究室によるスラバヤの実測調査（2017-18 年実施）では、こうしたカンポン住宅の多くでカビ汚染が生じていることが分かった。そこで本研究では、カンポン住宅の居住環境改善を目指した住民参加のプロジェクトを実施する。その第一段階として、バンドンのカンポン住宅地を対象に空気質と健康に関する実態調査を行ったので、その結果を報告する。