特定化学物質障害予防規則について

摘要

「特定化学物質障害予防規則」 （以下、特化則）とは、 労働安全衛生法、労働安全衛生法施行令の規定に基 づき定められた。まだ記憶に新しいと思われるが、平成 24年５月に大阪府内の印刷事業場にて印刷機の洗浄 用溶剤として使用していた１,２－ジクロロプロパンを日 常的に吸入していたことに起因して発生した胆管がん により死亡者が出た労働災害以降、特化則対象物質と される化学物質が年々追加され、化学物質の取り扱い の規制が加速している。 「特化則」は定められたルール 通りの運用を行えば、取り扱い量の制約はなく、使用が 可能であるが、業界関係者においても取り扱う上での ルールを理解していない、または、運用が不十分なケー スが見られる。今後とも対象物質が増加していく本規 則に対する理解を高めるために、当技報にて解説を行 う。