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摘要

近年、環境保全および労働安全衛生の観点から、 VOC（Volatile Organic Compounds：揮発性有機化 合物）の削減効果が高い水性塗料の需要が拡大して いる。塗料の水性化は、建築分野で早くから取り組まれ ており、土木構造物の分野においても、水性塗料への 積極的な移行が推進されている。 　本報では、鋼道路橋に対し、国内で初めて防食下地 から上塗りまで水性塗料を適用した事例（DNT水性重 防食システム）を紹介する。施工は水性塗料にとって非 常に厳しい条件となる冬季に実施され、水性塗料特有 の現象も確認された。また、水性塗料の課題である低 温環境での塗装作業性および成膜性は、低温対策を 講じることにより改善され、溶剤形塗料と遜色ない結果 となった。さらに、現地にて同塗装仕様で作製した試験 体の促進試験の結果、良好な塗膜性能を発揮した。