8Kスーパーハイビジョン映像の長期保存を目指したホログラムメモリー技術

摘要

8Kスーパーハイビジョン（以下，8K）は映像の情報量が膨大なため，8Kの記録装置には，高速かつ大容量であること が求められる。当所では，8K 映像の長期保存に適した記録装置として，ホログラムメモリーの研究を進めている。 ホログラムメモリーは，光の干渉を記録再生に利用する。１図（a）に示すように，記録時には，映像信号を白黒の２次 元バーコード状のデータ（ページデータ）に変換して液晶パネルなどの空間光変調器上に表示し，そこにレーザー光を照射 する。この空間変調されたレーザー光（信号光）と，何も情報を持たない光（参照光）を交差させると，光の干渉縞（明暗 分布）が生じる。この交差位置に記録媒体を置くことで，干渉縞の明暗分布を記録することができる。再生時には，参照光 のみをホログラムに照射する（１図（b））。干渉縞によって，記録したページデータの像が回折されるため，この光をカメ ラで撮影することで元のデータを復元できる。