ビッグデータ時代における高速データマイニング技術の活用を目指して

摘要

NTT研究所ではビッグデータの処理に用いられる分散データ処理技術の研究開発を行っていますが，特に私が所属しているプロジェクトでは大規模なデータ分析処理技術の1つとして，Graponに代表されるグラフマイニング技術の研究に取り組んでいます．近年インターネット技術の進展に伴い，ビッグデータと呼ばれる膨大な量のデータが利用可能になってきていますが，ビッグデータの中から有益な知識を発掘するデータマイニング技術に対する研究がさかんに行われています．データマイニング技術といってもさまざまなものがありますが，特に最近はグラフ構造のデータを扱うグラフマイニング技術の重要性が増してきています．グラフ構造とは「ノード」とノード間を結ぶ「エッジ」でモデル化を行うデータ構造です．例えばSNSにおいてはユーザをノード，ユーザ間の友人関係をエッジとして表現することができますが，グラフマイニング技術を活用することで，どのユーザのグループがコミュニティを形成しているか，コミュニティの中でどのユーザが大きな影響度を持つのかなどのデータ間のつながりに着目した分析をすることが可能になります.