海軍戦闘機設計の真実:曽根嘉年技師の秘蔵レポート

摘要

単座戦闘機として開発された9試単戦は，低翼単葉の機体形状，全金属製のセミモノコック構造、枕頭銃を 使用した平滑な表面など数々の新技術を適用して成功した画期的な開発プロジェクトでした。革新的な9試単戦ですが、唯ー、近代化の改革が残されているのは脚が固定式であること，といわれました。 堀越さんの著書「零戦」の中では「引込脚を採用することで機体の完成が6か月遅延する、これは競争試作で 致命的であるため，極力抵抗の小さな力パー付きの固定脚を選択した」と記述されており、時間的に間に合わ ないために固定脚を採用したと理解することができます。実際にはどうだったのでしょうか。