『研究会温故知新シリーズ』: 研究会の30年をふりかえって

摘要

日本ソフトウェア科学会に企画委員会が立ち上がったのは1984年1月27日の第5回理事会である.そして，同年3月28日の第7回理事会では，本学会の初めての研究会「関数的プログラミング」の設立が承認された.今から30年前のことである.第1回理事会が1983年10月8日であるから，学会の規則の策定や会誌の発行と合わせて，半年で研究会が立ち上がったことになる.これは，当時の関数型言語への関心の高さを窺えると同時にソフトウェアの先進技術を議論する場が求められていた証拠であろう.実際に，当時の本研究会運営委員代表の井田哲雄の「関数的プログラミング研究会の活動について」によると，1981年から月1回の頻度で勉強会を開催していた経緯が語られている.まさに，日本ソフトウェア科学会(以下，JSSSTと略す）がその活動の受け皿となったことが分かる.