プラスチック包材から紙の包材へ:内外で活発化する代替素材の製品開発

摘要

海洋を汚染するプラスチックが地球環境に対して大きな問題となっており，それに開しいろいろなところで報道され，今年6月日本で開催されたG20でも大きく取りあげられている.これらの報道をもとに世界規模でのプラスチックの生産•消費動向を見ていくと，世界におけるプラスチックの生産量は1964〜2014年の50年間で20倍以上に急増し(1,500万t→3億1,100万t),今後20年間で倍増すると予想されている.一方，消費•排出側については少なくとも年間800万tのプラスチックが海に流出しており，その量は2050年までに漁獲量を上回ると推測されている.さらに，プラスチックの用途としては，容器包装が全体の約40%と最大であり，しかもプラスチック容器のリサィクル率は14%ときわめて低い.このことから，海洋を汚染するプラスチックの多くはプラスチック包装容器（単独，ラミネートあるいは複合材料）由来のものと思われる.