大震災後のイノベーション: 脱原発と省エネルギー技術

摘要

別に運命論者ではないが，日本には世界から与えられた使命があると思う。それは，この大震災を契機に日本が脱原子力発電（原発）の世界的リーダーになるという天啓とでもいうべき使命である。世界の中で原爆を投下された国は日本だけである。そして，今回の福島原発事故。日本にはこの技術を超えて新たな次元を切り開く宿命的な義務があるのではないか。「日本がやらずして，誰がやるのか」という強い想いである。われわれが脱原発を唱えるのは，その安全性を不安視するからだけではない。原発は核燃料の最終処理に解をもたないテクノロジーだからである。