旧江ヶ崎跨線橋の霞橋への移設·再利用事業

摘要

明治の鉄道橋は直橋が基本で，幅員が単線用や複線用，1連の長さが100ft(30.48m)や200ft(60.96m)等定型化していたため，橋梁の移設·再利用が比較的多く行われていた。しかし現在は，架橋場所に合わせた平面線形，橋長で設計·建設され，橋の移設が行われることはほとんどない。本報で報告する旧江ヶ崎跨線橋の霞橋への移設·再利用事業は，「明治期建造の2連の橋を1連の橋に組み合わせ，移設し，現役の道路橋として再生する」という移設·再利用·改造·機能更新を組み合わせた珍しいプロジェタトである。そして今回の移設は橋にとって2度目の移設であり，鋼材を辿るとスコットランドの製鉄所で造られたことがわかった。本報では本事業の特徴的な取組みと共に，設計·施工での発見も紹介する。