地域の価値向上を目的とした道路緑化手法

摘要

道路緑化においては、道路空間との適合性や植栽後の維持管理水準の設定が不適切であるため、樹木の経年的な成長とともに道路利用者の見通し阻害や通行障害などの発生に繋がっていると見られる事例があります。また、これらの問題への対応として、街路樹の強剪定（主要な太枝を短くする剪定や多くの枝葉を切除する剪定）が応急的な措置として行われることも多く、結果的に樹勢の低下や樹木本来の美しさを損なうなど、発揮すベき緑化機能を低下させることが問題となっています。このような状況を踏まえ、道路緑化技術基準(平成27年3月31日改定）では、道路緑化にあたっては道路交通機能の確保を前提として、緑化機能を総合的に発揮できる質の高い緑化を行うことにより道路空間や地域の価値向上を図ることが基本方針として示されました。この方針を受けて、国土技術政策総合研究所では道路緑化により価値向上を図る際の手法（目的や目標設定、その手段や配慮事項等）について、現場技術者ゃステークホルダーにも理解しやすい形でとりまとめることとしています。