単一中心都市における住宅地の開発・再開発および撤退の空間的立地パターン

摘要

近年，多くの先進国は人口減少社会を迎えている．人口減少に転じた社会においては，古い住宅地が再n開発されたり，次々と撤退していく都市が存在すると考えられる．本研究は開放型の単一中心都市においnて住宅地の開発・建て替え・撤退の動学モデルを構築し，住宅地の空間的立地パターンの変遷を明らかにnする．主な分析結果として，建て替え時に，地代が十分に高い（低い）場合，CBD付近の住宅が郊外の住n宅地よりも小さい（大きい）ロットサイズに建て替えられることを示す．また，撤退時には，CBDに比べnて郊外の住宅のロットサイズの方が大きい一般的な都市において，単位距離あたり通勤費用が小さく，かnつ現存の住宅のロットサイズがある閾値を下回る場合には，住宅地はCBDから郊外に向かって農地（放置nを含む）に転換されることを示す．