2015年清涼飲料市場動向

摘要

2015年の清涼飲料市場は，生産量•販売金額とも前年を上回り，14年が縮小していたため，2年ぶりに成長した.最盛期まっただ中の8月下旬から天候要因がネガティブに働いたため，通期のプラス着地が危ぶまれたが，堅調に推移した上半期や10月以降の販売増がカバーした.カテゴリーでは，炭酸飲料，茶系飲料，ミネラルウォーターという構成比の大きな市場がけん引した.生産量2,046万6,400kℓ(前年比2.1%増)，生産者販売金額3兆7,004億9,800万円(同1.4%増)となった.14年の清涼飲料市場が微減で着地し，5年ぶりにマイナスとなったことを受け，15年の清涼飲料市場は，拡大に向けて積極的な展開が行われた.第1四半期(1～3月)は前年の消費増税による消費の冷え込みと仮需の影響があり，前年比4%減とマイナスのスタートとなった.特に茶系，スポーツドリンク，ミネラルウォーターなどの大型PETボトルの反動が大きく，売上げを落とした.販売チャネルでは，SMや自動販売機などが苦戦した.第1四半期は厳しかったが4月から市場環境が変化した.4月は，一昨年実績がその前年よりマイナスとなっていた分，伸長した.5月は大型連休で好天が続くなど，天候要因が追い風となり，売上げを急速に伸ばしていった.上半期の最終の6月も5月の勢いを維持したことから，上半期は前年並みで折り返した.