鋼橋の維持?強化

摘要

東海道新幹線の鋼橋は，これまでの検査，調査により主要な部材に顕著な変状は確認されておらず，疲労耐久性に大きな問題は生じていない．しかし，開業後48年経過した現在，土木構造物の経年劣化は避けることができない事象である．これまで，主要部材からの疲労亀裂は発生していないものの，主要部材の縦方向すみ肉溶接（以下，縦ピード，図-1）からの疲労亀裂は，いったん亀裂が発生すると進展速度が早いため，検査で対応することが困難であり，その対応策として近い将来部材取替えが必要と考えていた．