本州四国連絡橋の塗替コス卜縮減に向けた取組み

摘要

本州四国連絡高速道路の海峡部長大橋（以下，本四連絡 橋）の外面塗装の面積は約400万m~2と膨大であり，維持 管理に占める塗替塗装の比率は非常に大きい.したがつ て，本四連絡橋のライフサイクルコストを最小化するに は，塗替塗装のコスト縮減が最も重要である.このため， 本四連絡橋では，建設時より確実な防食性能の確保と長期 の耐久性に着目して，下地に犠牲防食機能を有する無機ジ ンクリッチペイント（以下，無機ジンク）を用い，上塗り には耐候性に優れる塗料を用いる新しし、塗装仕様（重防食 塗装系）を開発，採用してきた（図-1).そして，その維 持管理において，防食下地である無機ジンク層から塗り替 える場合，施工時の品質管理が困難で，その費用も増大 する.そのため，無機ジンク層の劣化を許容しないことと し，無機ジンクの保護層である下塗り層の露出が生じる前 に中塗りと上塗りを塗り替えることを基本としている.重 防食塗装系を採用した本四連絡橋の塗替えは，これまでに 因島大橋，大鳴門橋で完了しており，現在，瀬戸大橋で実 施しているところである.