軍用機製造の戦後史 戦後空白期から先進技術実証機まで

摘要

MRJ、ホンダジエットといった民間航空機に限らず、部隊運用も始まった海自のP-1や先ごろ空自に納入されたC-2、あるいは初飛行に成功したX-2など日本の航空業界の話題は近年にはなし、活況を呈しているように思える。本書はいままでにまとまったかたちで語られることのなかったわが国における軍用機の開発•製造の歴史を綴った書である。著者の福永氏は「ナショナル•イノベーション•システム」という視点から考察している。端的に言えば国家的な諸制度によって「技術革新」がどのような影響や制約を受けてきたかを、戦後日本の軍用機開発•製造を例にして記述した、かなり学的な内容の書である。