フィルタ重量法によるPM測定方法の精度向上に関する研究（第1報）: エンジン試験における全量希釈トンネルでの検討

摘要

本研究は，US'07に準拠したPM測定設備がPM排出量に及ぼす影響をCR-DPFが装着されたPM排出量が非常に低いエンジンを用いて検討し，サンプリング装置などの仕様の違いや測定精度の向上に寄与するPM測定設備の改良点について，以下の結果を得た．①最小読取値0.1μgの天秤およびφ47mmのフィルタを用いることにより，PM捕集重量の測定精度が向上する．②TX40 フィルタは，希釈空気に含まれるガス状HCやトンネル温度を上げることにより湧き出すHCの影響を受けるため，HCガスのトンネルブランク管理が必要である．③Tefloフィルタは，TX40フィルタよりPM捕集に影響を及ぼす誤差要因が少ないため，PM排出量が非常に低いエンジンの計測に適している．④恒温装置を用いることによって，TX40フィルタでは温度を上げることによるHCの湧き出しのためPM測定値が高くなる．しかし，トンネルブランク対策を行うことにより，その影響はなくなると考えられる．Tefloフィルタでは，恒温装置有無の影響はない．⑤本調査の範囲では，TX40フィルタとTefloフィルタのSoot捕集特性は同等である．