エッセイ：21世紀の美術館における伝統文化ジェルマン・ヴィアット

摘要

1970年代初期にボンピドゥ・センターの計画が着手されて以来、フランスの設計競技は周到なコンセプトの組立てによってその性格が特徴づけられるようになっている。ケ・ブランリー美術館の場合、それは細心の注意が必要だった。そこで求められたのは、別々に築き上げられた2つの現存するコレクションの内容をいかに評価するかであった。それは人類学館の民俗学部門とアフリカ、オセアニア美術を国別に展示する美術館である。それはまたこれらのコレクションの可能性を探り、ほかの国々にある同様な美術館の経験を評価し、そして現代社会の目指すところに合致する新しい方向性を聞くために旧弊に明快に区切りをつけることにより、新しい美術館の概念を考察することが必然だった。