エッセイ: 地域主義の過去とサステイナブルな未来：ヴォ•チョン•ギア•アーキテクツの視点を探るニルマル•キシュナニ

摘要

ひところ地域主義といえば「場所」との関係性の（再）構築を提唱することで、押し寄せるインターナショナル•スタイルの影響を食い止めようとするものだった。その後数十年を経て大きく変化を遂げたベトナムを前にして、ヴォ•チョン•ギア•アーキテクツ(VTN)はアジアにおいて、これと同じような歩調をとりながらも、市場経済の論理とそれが及ぼす人々や環境への影響という別の力と戦っている。同設計事務所は、多くの人が軽率で無神経と酷評する容赦のない破壊と建設が行われる時勢の中で成長を遂げた。ベトナムの設計者の中で最も称賛されているであろう彼らの作品群は、そうした開発形態にたいする批判とも受けとれる。またその作品は、こういった開発形態の前提条件を根本的に疑うことなしにただその勢いを抑えようと試みる、昨今流行りの認定グリーン•ビルディングと対極をなすものである。