390マディソン

摘要

ニューヨークの中心に位置する古いオフィスビルを劇的に現代に生まれ変わらせる計画。既存建物は1950年代に建設されたものであるため、建物を取リ壊してつくり直すと現在のニューヨークの都市ゾーニングガイドラインによリスペースの多くが失われることになる。過密な建物を構成するボリュームの配置を綿密に検討することで、貴重な床面積を犠牲にすることなく、最新のワークスペースを提供することを目指した。最終的には、既存建物の特定の箇所から床スラブをいくつか切リ取リ、さらに既存の構造の上に新たに8階分の増床した。これによって、2階層分の高さの空間や、9階に設置された3階層分の高さのアメニティスべースなど、現代のニーズに応える天井高と構造スパンを備えたフロアが生まれた。建物南東の角には、柱がないL字型のユニークなスペースが設けられ、7.5m以上の天井高の開放的な空間がつくられた。建物に面する3つの通り沿いに設置されたテラスは、アメニティスペースを屋外へと広げる役割を担う。地上レベルでは2階建ての広々とした商業スペースがテナント用に設けられ、マディソンアベニユーと46番街の角に位置する柱のない広々とした空間が歩道の延長として街並に、さらなる活気をもたらすことになる。