シント•ラウラインスの青少年レクリェーション施設

摘要

オランダとの国境に近いゲン卜とブルージュの間に、メーチェラント·クレーケン自然保護区が広がっている。人里離れたこの場所は、干拓地ならではの平坦な土地である。何世紀にもわたって風と水に晒され、幾度となく洪水に見舞われているが、草木が豊かに茂る肥沃な土地でもある。中世の昔から、堤防とポプラ並木のリズムがそのランドスケープを特徴づけてきた。平らな土地をうねうねと横切る小さな流れが、過去の洪水を思い起こさせる。人はほとhど住hでいない。この環境に何かを建てるということは、制約の中での実践である。ここで建築家は、建築において妥協することなく、周囲の自然環境の中に建物を隙すことを選択している。東フランダース州から与えられた、変化に弱い自然環境に優しくサスティナブルな、ウォーター•スポーツと乗馬のための新しい青少年スポーツ·センターという課題はよく考えられておリ、80人収容の宿舎と運動用具倉庫、屋内の乗馬施設と厩舎、運営管理棟、管理人用の住居が求められた。傷hでいた古いスポーツ施設はとリ壊された。集まって建っていた既存の住宅にはライムゥォッシュが施され、管理人の住居と教室として使われている。新しいコンプレックスは、U字型の農場の建物のようにデザインされておリ、一見するとスポーツ·コンプレックスとは思えないような存在である。このタイポロジーは、この地方に昔から建てられてきた建物を思わせるとともに、自然と建物の間に中央の広場、遊び場とコンクリート製の馬の水桶のある「中庭」をつくリだしている。中庭は強い南東の風から守られ、すべての活動がここに集まっている，コンプレックス全体がFSC(森林管理協議会）認証を受けたシべリア•カラマツで建てられておリ、黒く着色された木製フレームは、ランドスケープに優しくサスティナブルな付加になっている。予算が限られていたことから、宿泊室、キツチン、浴室、倉庫を収めるL字型の棟の連続するポルティコに見られるように、合理的で繰リ返しが可能な計画が必要とされた。この棟は熱を遮る緑のルーフに覆われ、建物を周囲の環境に溶け込ませている。全体の中で最も目立っ建物は乗馬ホールである。乗馬にかかわるすベての活動は、1本の軸線に沿った1つの細長いヴォリュー厶に収められている。小屋組のトラスは、農民がトラスを組むために古くから用いてきた手法をヒントにしている。それはマツシヴなスパンではなく、ボル卜とスティールのロッドで重力とバランスを巧みに調整する、ヴァイオリンの内部を想い起こさせるような、不安定にも思えるトラスである。ルーフの架構に見られる緩やかな傾斜が、1っのコーナーからそっともち上げられたかのようなエレガン卜な曲線をサドル(鞍）•ルーフにもたらしている。