エッセィ再録： LL(ロングライフ/長持)LF (ルースフィット/融通)LE (ローエナジー/低エネルギー)対フォスター

摘要

フォスター•ァソシェイツの作品はたびたび建築雑誌の表紙に載せられてきたが、それも驚くには当らないことである。ガラス状で、単純明快で、カラー写真を撮 る写真家にとっては夢なのである。実際は、これらの作品の多くは普通の人が滅多に見られないような場所や環境に建っている。だから、現代の最先端を学ぼう とする者にとって、フォスターたちがすぐそこのフィッツロイ•ストリートにあるロンドンではじめての店舗風の設計室で働いているという事実は喜ぶべきであ る。それにしてもその中でどhなことが起こっているのかを知りたくなるのも当然であろう。壁から壁まで、床から天丼までを覆ったガラスは、ぴかぴかで灰色 をしていて非常に反射が強い。太陽の位置が悪いと、ゴムを敷きつめた基壇に登って、よく近寄ってから無作法に靦き込まなければ内部を見ることはできない。 内側に見えるのは流行のオープン•プランのカーぺツトを敷きつめたオフィスで、間仕切りは「サイエンティフィック•ァメリカン誌に宣伝された」ハーマン'ミラーのA0-2システムの家具によりなされ、全体を支配している色は黄色とアツキー•グリーンである。このグリーンの色をした一方の壁には厨房、便所その他に通じ る開口があってまるみのついた宇宙船のドアがついている。もう一方の壁には所長の自転車(当然黄色をしているがもたせかけてあつて、所員たちはブルック·ストリートの風俗の基本であるブリーチしたジーンズに口ひげなどをつけて、世界を風靡している調子にあわせている。