セバスティアン・イララサバル カーサ2Y

摘要

この住宅の主たる目的は2つある。第一に、利用者の日常的な体験を森に統合することであり、第二に住宅が1日中、可能な限り多くの光と日射を取得することである。そうした目的で、プログラムは2つのY字型のダイアグラムに収められ、1日の異なる時間に日光が入射するように二重の方向を備えさせるだけでなく、住民が周囲の景色に触れられるようにしている。言い方を変えれば、住宅とその分岐部分は周囲との境界を極端に伸ばしておリ、コンパクトに整理されたものとは対照的に、外部の正面性ではなく、内部空間での体験に力点を置いている。より具体的には、強化されたのは頭頂部の関係における太陽と木々の間における経験であった。さらに、この形状にしたことで、敷地の既存の木々を伐採せずに配置することができた。プロジェクトの具体化について言えば、木材が選択されたのは、自然や文化との提携により、住宅をその場所に固定可能とする地場の材料であるからだけでなく、木構造を用いれば、別の材料を使った構造とは逆に、無限に線的な要素を使用して自然に建てられるからである。結果、この線的要素は森の中に存在する無限の感覚を思い起こし、外部空間とのある種の振動の中に入り込むことを可能とした。こうして、構造計画と建築計画は、同時かつ永続的な会話の中で作成された。最終的に、構造と建物を区別するのは困難である。地面との関係については、先に言及した2Yのダイアグラムが様々な方法で勾配を調和させる。時には地面をその場で強調し、またある時は土とコントラストを成して、構造体の人工性を強調する。外装仕上げの意図は、緑にほぼ囲まれた周辺環境との対比を常に生みだすことにあり、もちろん赤色が採用された。