クリスティアン・フェルナンデス・アーキテクツ、ラテラル・アーキテクチュア・アンド・デザインガブリエラ・ミストラル文化センターサンティアゴ、サンティアゴ・コミューン2008〜

摘要

ガブリエラ•ミストラル文化センターは、サンティアゴの主要な文化施設の一つである。街で最も賑わう通りの一つ、ベルナルド•才ヒギンス大通りに面して建つ。国内の文化施設不足の影響から、チリ文化芸術評議会が施設のプログラムを定めている。プロジェクトの最大の目的は、施設そのものを周囲の街並みに開き、豊かで多様な館内の活動の一端を街に投影するために、透明性をもたらすことである。これによってこの建物は、館内で行われている活動を人々に伝える有用な存在となり、都市の視点から街を豊かにするものとなっている。道行く人々を包み込み、文化的な活動に誘うようにデザインされた芸術と文化のための透明な建物である。すべてを周囲に開くことがプロジェクトの目的でないことは明白である。舞台芸術のための複数の空間を擁していることから、完全に開放することはそもそも不可能であった。課題は、何をどの程度見せるべきかを判断することであった。そのため建物は、完全に開かれたものから、不透明で完全に閉ざざれたものまで、場所によって透過性が異なる外装に包まれている。舞台芸術用のホールの根幹は、館外の現実からホールの内部空間を完璧に切り離す能力にある。照明を落とすと……空間は闍と静寂に包まれ……空想の世界と未体験の現実が繰り広げられる一舞台の始まりである。音楽、舞踏、演劇などに対応する複数の舞台芸術用のホールは、その内部を外に見せることはないが、そこで何か大切なことが行われていることを直感的に感じさせるボックスとしてデザインされている。