拡散度法による床衝撃音遮断性能の予測に関する研究

摘要

絨毯に発生するダニ対応に始まった集合住宅床のフローリング化 は床衝撃音問題を顕在化させ、その後も、居室の自由な間取りに対 するニーズのための梁の大スパン化や建築物コンバージョンの普及 も床衝撃音問題の解決を一層困難にした。その結果、集合住宅居住 者からの床衝撃音に対する苦情は今なお上位を占めており、その解 決は重要な課題となっている。本会においても、床衝撃音に関する 研究発表は毎年多数にのぼり、大会オーガナイズドセッションにも たびたび取り上げられるなど、床衝撃音問題解決への精力的な取組 みがなされてきた。しかしながら、床衝撃音の予測に必要な床板の 振動応答は、板の大きさ、形状、板厚、板の支持条件、加振点位置 などのさまざまな条件に関連してきわめて複雑であるため、実用的 な予測法は確立されていない。