むかし見た夢・これから見る夢--電力県ふくしまの過去と未来

摘要

福島県の太平洋側を「浜通り」と呼び、原発10基が立ち並ぶのはそのなかの双葉地方4町である。この地方はかつて地元が「福島県のチベット」などと自嘲していたような地域であり、双葉町と大熊町では男性のう分の1が出稼ぎに出ていたと言われている。ここで原発立地の話が持ち上がったのは1夕50年代末のことだ。当時の東京電力木川田一隆常務は福島県出身で、双葉町出身の天野光晴県議（のちに建設大臣）との間で話が進み、地元2町の立地陳情に漕ぎつけたのが1夕61年だった。第一原発の建設用地は元陸軍飛行場だったところで、国土計画興業が所有しており、反対運動もなく員収はスムーズに進んだ。