建築物の減衰機構とその性能評価小委員会

摘要

耐震設計や耐風設計において、減衰は応答に大きな影響を及ぼす重要な要因であるが、今日でも不明確な点が多い。当小委員会では、この解明に向けて継続的な検討を行ってきた。2000年にはそれまでの知見を集約した『建築物の減衰』を刊行した。最近では2013年に「建物の減衰機構と性能評価に関するシンポジウム」を開催し、減衰に関する最新の検討成果を発表した。建物の固有周期や減衰定数に関する振動実測データは、1970年前後から常時微動測定や振動実験、地震•風観測により継続的に蓄積されてきた。1995年の兵庫県南部地震以降、地盤や建物への地震計設置が急速に進んだ。2011年の東北地方太平洋沖地震では広範な地域で強震記録が得られ、建物の振動特性の分析に大きく寄与した。