集落と居住の持続性に関する地域計画的研究: 能登半島地震•被災集落を対象にして

摘要

日本の総人口は2008年をピークに減少傾向に転じ、高齢化率も2013年に25％を超えた。この傾向がこのまま続くと、人手不足や過疎化の進行により自治体の存続が危うくなり、日本の経済•社会に深刻な悪影響を与えるとの予測もある。特に農山漁村地域では、限界集落あるし、は消滅集落という言葉に表されるように、集落の衰退に対する危機感が強いが、決定的な有効策が見いだせないまま今日に至っていると言えよう。もっとも、戦後に設立された農村建築研究会において行われた多くの共同調査•共同研究は、農山漁村地域の発展に大きく寄与するとともに、後に農村計画委員会（日本建築学会）や農村計画学会が設立されることにつながるなど、この研究分野が果たしてきた役割は大きい。