都市史をめぐる共同フォーラムの構築に向けて

摘要

本会は、2013年12月に創立された、生まれたばかりの学会である。その前身には、1980年代末以降継続してきた、『日本都市史入門』全3巻（高橋康夫·吉田伸之編、東京大学出版会、1989-1990）の企画、都市史研究会、「ぐるーぷ·まんもす」、「ぐるーぷ·とらっど」（科研研究費による1992年以来ほぼ20年に及んだ持続的共同研究）など、日本近世史と建築史を中心とする四半世紀を超える長期に及んだ共同の取組みがある。この間、こうした共同研究の成果は、随時『年報都市史研究』1～21号（山川出版社、1993～2014）や『別冊都市史研究』（全4冊）などで公表し、また、シリーズ『伝統都市』全4巻（伊藤毅·吉田伸之編、東京大学出版会、2010）で、日本近世史と建築史学を基盤として展開してきた文理融合のプラットフオーム構築が試みられてきた。都市史学会は、これらの諸達成を直接継承する形で発足したものである。