文献抄録

摘要

木質構造における接合部では、各規準や解析は主として延性的な破壊を取り扱っている。そこでは鋼製接合具の塑性挙動と木材の支圧による塑性挙動を対象としたEuropean Yield Model(eym)が用いられている。しかしながら、繊維平行方向の破壊では脆性的な破壊が支配的であり、そのため、COST Action(European Cooperation in Science and Technology)FP1402のワークグループでは接合部における繊維方向に対する脆性破壊を主な課題として検討し、データベース化を進めている。本論文では、それを用いて割裂·列せh断·プロックせh断が破壊モードとなる接合部の各設計手法の性能の比較を行っている。これらの破壊形式はすべて脆性破壊である。脆性破壊に対する検討は1949年のFahlbuschに遡る。多数の接合具を用いた接合部は、"ダループ効果"により、実際の本数分の性能を有しておらず、実際の本数よりも少ない本数を有効本数とする必要があると言及した。これに関する研究は後進の様々な研究者が進め、その中でもEurocode 5ではJorissenの研究が採用されている。