鶴の里の家

摘要

敷地は大津市内の琵琶湖を見下ろす高台の郊外型住宅地。敷地北東にあつた掘込み式ガレージを解体し，新たに建物の基礎と一体化させた擁壁を築造して，その上にオーバーハングする形で木造の平面を掛け渡した。地階にある玄関から階段を上ると，1階の内土間，外土間，庭へとつながっており，どこで靴を脱ぐかは自由である。1階は家族室を中心に放射状に3つの侗性的な個室を配した。家族室は大壁の箱の中に2階床組と小屋組を支える6本の通し柱による2.730mm角のグリッドを入れ子状に挿入し，領域を規定している。3つの個室は屋根架構や什上げ材もそれぞれ異なり，多様な場を生み出している。2階は壁のない未完の空間で，手すりや家具は可動ユニット化されていて，これからの家族の状況においてフレキシブルに対応できる。