強靭な次世代建築家を生む辛口でハードな議論

摘要

大阪のアジア太平洋トレードセンター(ATC)にて、毎年恒例になっているU-30の展覧会を見学した。ゼロ年代以降、卒業設計日本一決定戦をはじめとして、20代前半の学生が注目されるひのき舞台が増えているが、2010年からU-30、すなわち20代後半の最若手というべき建築家の場が出現したのである。今年は5組が参加した。岩瀬諒子は大阪·木津川沿いの遊歩空間整備コンペに勝利したランドスケープのプロジェクトであり、完成後もまわりの人々がかかわっていくものだ。塚越智之は不動産の制度などに注目し、賃貸住宅やオフィス空間の計画を事例に、建築の枠組を広げる提案である。