住宅医がゆく!改修補強の現場から

摘要

今号は、住宅医の調査診断6項目の一つである劣化対策について調査診断·改修事例を紹介する。劣化診断は、現在の劣化状況を把握する「現況検査」と、各性能を診断する「劣化対策」に分けられる。前者は、屋内外や床下、小屋裏、配管設備、外構などの現況の調査や検査であり、後者は、住宅性能表示制度と長期優良住宅の認定の診断項目を基に、劣化対策ができているか、改修工事で対策が可能かどうかを診断する。診断の目的は、防腐、防蟻、防水、防湿、換気、点検であり、部位や室で分けると、外壁の軸組、土台、浴室と脱衣室、地盤、基礎、床下、小屋裏となる。整理をすると、劣化の多くは「水分と蟻」にかかわる劣化事象であり、それをいかにして防ぐのかが重要な鍵となる。