齊藤正と初めて会ったのは、フィリピンのレイテ島タクロバンで開かれた台風ヨランダ(2013年11月)後の復興計画をめぐる国際シンポジウムの会場であった(2015年8月6日)[図1]。滋賀県立大学のホアンJIMENEZ BERDEJO Juan Ramonさんが中心となって復興支援のための展覧会を企画し、東日本大震災直後に被災者にお風呂を供給した「善根湯」プロジェクト[図2]の展示要請をしたのがきっかけで、唯一シンポジウムにも参加したのである。プレゼンテーションは、阪神淡路大震災(1995年)のポリタンク支援に始まり、新潟県中越地震(2004年10月)、東日本大震災(2011年3月)、そして直前のフィリピン•ボホール島地震(2013年10月)における支援経験の報告であった。板茂の国際的な災害支援活動はよく知られるが、齊藤正のこうした一貫する支援活動は知らなかつた。その活動の中には、エボラ出血熱で苦しむリベリアへの遺体収容袋の送付支援もある[図3]。
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