天候デリバティブの評価を目的とした時系列分析による全天日射量と日照時間のモデル化

摘要

2012年，非住宅における再生可能エネルギーの全量固定価格買取制度が導入され，さらに，2016年には電力自由化が決定している.これらの状況からメガソーラー事業者の増える余地は大きいと考えられるが，太陽光の変動の激しさによるリスクが新規参入の妨げになる可能性がある.そこで，リスクを回避し，事業を安定化させるために購入される金融商品が天候デリバティブである.しかし，天候リスクの数値化が困難であることや,日本においては上場しておらず取引実績が少ないことから，売り手に有利な設定となっていることが指摘されている.そして，これらがさらに取引の妨げになるという状況に陥っている.