住宅分電盤電力計測に基づく気象·居住者·電力消費の関係分析

摘要

本研究は気象条件が住宅の電力消費や機器•部屋の稼働 状況，稼働時電力消費に及ぼす影響を重回帰分析により分 祈した.大阪府摂津市の集合住宅586世帯の分電盤回路で 計測された電力消費データに基づいて，計測回路の稼動状 態を判定し，各計測時刻における回路稼働率と稼働時電力 消費平均値を算出した.重回帰分析では回路別電力消費， 全世帯中回路が稼働している世帯の比率を表す稼働率，回 路が稼働している世帯の平均電力消費である稼働時電力消 費を目的変数とし，表1の変数を説明変数とした.気象条 件による電力消費の変化を，居住者の行動に起因するもの と機器の仕様や機器の稼働数に起因するものの2つに分解 するため.稼働率•稼働時電力消費重の回帰式の偏回帰係 数にそれぞれ稼働率•稼働時電力消費の期間平均値を乗じ， 気象条件が回路別における稼働率，稼働時電力消費を介し てどの程度電力消費に影響を及ぼしているか定量化した.