公共交通と歩行者空間がバンコクの交通渋滞と大気汚染を改善する

摘要

バンコクは、かっては東洋のベニスと謳われ、緑の中にパゴタと寺の甍が並ぶ美しい都市だったが、モータリゼーションの進展とともに都市化が進み、この30年は世界で最も交通渋滞の激しい街のひとつとなった。バンコクに限らす、「混雑」は、発展する都市にとって避けられない問題だ。開発途上国のメトロポリスにおいては、その解決へ向けての取り組みが都市政策、都市デザインの要となってきた。バンコクの都市化は、1960年以、自動車の普及と共に急速に進み、人口が周辺部も加えると200万人から1,300万人に増加し、市街地も年平均して3～5%の割合で增加してきた。現在、タイの自動車登録台数の1/3に当たる約600万がバンコク都市圏で登録されており、いかにバンコクの交通システムが自動車交通に依存しているかが分かる。