状態監視装置データを用いた車輪/レールの 摩擦状態管理手法について

摘要

車輪／レール間の潤滑状態は，塗油装置や水等の外乱の影響によって常に変化していることが確認されている．曲線走行安全性上の観点だけで言えば潤滑は多いほうが望ましいが，潤滑過多となるとATO過走やフラット発生等の不具合を誘発する懸念が生じることから，安全・安定輸送を行う上で潤滑の適正化を図ることは非常に重要である．そこで著者らは地上側に設置された状態監視装置のデータを用いた車輪／レール間の潤滑状態を推定する手法を検討し，解析手法を考案した．本稿ではデータ解析方法を紹介するとともに，データ解析とその評価を実施可能とするための運用方法も併せて紹介する．