超大断面トンネル覆工における高流動コンクリートの施工事例

摘要

本工事は、静岡県浜松市から長野県飯田市を結ぶ三遠南信自動車道のうち、静岡県と愛知県の県境に位置する、延長3,436m の「佐久間第1 トンネル」において、静岡県側から本坑1,555m、避難坑1,575m を施工する。本トンネルの静岡県側の坑口部は、オフランプ構築のため、段階的に拡幅した断面となっている（図-1）。断面は坑口部で最大となり、その掘削断面積は、316m~2と国内屈指の超大断面である。そのため、覆工構造は、巻厚1.2m および高密度の配筋構造である。坑口部の覆工施工に際し、締固め不足による充填不良が懸念されるため、覆工空間内を締固めせずにコンクリートを充填できる高流動コンクリートを採用することで覆工構造の品質確保に努めた。本報は、超大断面トンネルの覆工に高流動コンクリートを用いた施工事例について報告する。