小規模吊橋（備後橋）における吊索等の取替えについて

摘要

備後橋は，国道425 号の池原ダム湖に架かり，図-1 に示すような橋長163m，幅員4.0m の小規模吊橋である．1963 年の架設から半世紀が経過した2015 年に支間中央付近の吊索（１本）が破断して通行止めとなり，2016 年に実施された橋りょう定期点検において，塔柱やアンカレイジなどに大きな変状は生じていないが，主索に取り付けられた吊索吊金具のすべりと塔頂サドルのボルト脱落等が確認された．吊索が破断した原因は，材料がロッド（棒鋼）であり，経年変化により取付部のピンの回転が妨げられ，曲げ応力が作用して疲労損傷が生じたと推察された．破断した吊索のみを補修しても，他の吊索に同様の破断が生じる可能性があるため，全ての吊索をケーブルに交換する計画が立てられた．合わせて，吊索吊金具のすべり復旧と塔頂サドルボルトの補修も計画された．これらの補修工事が国道425 号 備後橋補修工事として発注され，施工が完了したので施工の概要を報告する．