2017/18 年インフルエンザシーズンにおける河川中のタミフルおよびタミフル代謝物濃度について

摘要

2009 年に発生した新型インフルエンザウイルスによるパンデミック以降、抗インフルエンザウイルス薬の供給量は徐々に増加しており、図1 に示すように2017/18 年シーズンにおいて初めて2009/10 年シーズンの供給量を上回ると予想される。これはこの数年にわたってインフルエンザが広く流行していることが一因であり、特に2017/18 年シーズンにおいてはA 型およびB 型のウイルスによる流行が同時期に発生し、多くの患者が発生した。このように流行性疾患に対する治療薬は、流行時において一時的にかつ大量に使用される特徴があり、これらが環境水中に放出されることによる薬剤耐性化の助長など環境影響が懸念されている。