ノード削除によるネットワーク上のウイルス拡散抑制効果に関する一考察

摘要

ネットワーク上のウイルス拡散のダイナミクスを理解し、制御することは、ネットワーク科学における重要な研究課題の一つである。これまで、Susceptible-Infected-Removed (SIR) モデルに基づくウイルス拡散を想定し、その拡散を抑制するための手法として、ネットワーク中の重要なリンクを削除する手法が提案されている[1]。一方で、リンクではなくノードをネットワークから削除することによっても、リンク削除と同じようにウイルス拡散が抑制できると考えられる。特定のリンクだけを削除することが困難な場合には、ノードを削除することも有効な方法であると期待される。ただし、ノードの削除はリンクの削除と比べてネットワークの接続性を著しく低下させてしまう可能性がある。