照度条件変動に自律的に適応する宇宙用超小型カメラの開発

摘要

近年，宇宙空間における撮像ミッションの需要は高まっており，視覚的な観点から様々な知見を得ることが期待されている.その一例として，2014年12月に打ち上げられた惑星探査機はやぶさ2プロジェクトがあげられる.はやぶさ2は小惑星表面をタッチダウンすることによるサンプルリターンミツシヨンを目指すことに加え，超小型小惑星探査ローバシスアム（Micro-Nano Experimental Robot Vehicle for Asteroid II)による小惑星表面の直接探査も試みる. 複数あるMINERVA-IIローパのうち，MINERVA-II2には東京理科大学木村研究室によって開発された宇宙用超小型デジタルカメラ(通称：MICAM)が搭載されている.このカメラによって，小惑星表面の近接撮像を行うことで，表面物質の色合いや形状を把握することができ，太陽系の起源を知るための理科学的に重要な手がかりとなることが期待されるまた宇宙空間における撮像ミッションは，小惑星表面に限ったものではない.例えば，2010年に金星探查機Planet-Cと相乗りで打ち上げられた小型ソーラ一電力セイル実証機IKAROSで行われたソーラー電力セイルの展開状況の確認ミッションがある'またASTROSCALE社が2017年に実現を目指すスペースデブリ除去ミッションの際にも至近距離におけるデプリの捕捉や監視が必須である.このように，宇宙空間において鮮明な画像を取得することは極めて重要であり，撮像ミッションの成功は必須である.