ェポキシ/中空シリカナノコンポジットの誘電率特性と 電気トリーによる絶縁破壊電圧の評価

摘要

ェポキシ樹脂にセラミックス粒子を充填したエポキシコンポジットは、気体や固体絶縁体で構成される絶縁系において多く使用されている。ェポキシコンポジットの比誘電率は気体のそれよりも高いため、電界強調を引き起こし、絶縁系の小型化設計の妨げになっている。その解決方法の一つでが、低誘電率なエポキシコンポジットを開発することである。低誘電率のェポキシコンポジットを実現するため、筆者らはこれまでに，気体が内在するナノメートサイズの空孔を持つセラミックス粒子を充填したェポキシコンポジットを開発してきた。ナノサイズ空孔内部では、容易に放電が発生しないことが期待される。私たちは、空隙を有する中空シリカナノ粒子を充填したェポキシコンポジット(エポキシ/中空シリカナノコンポジット)を作製し、その低誘電率性、バルク部分の短時間の絶縁破壊強度(8)を取得してきた。具体的には，エポキシ/中空シリカナノコンポジットの粒子空孔による低誘電率化効果およびその交流絶縁破壊電圧がェポキシ/シリカマイクロコンポジットと同程度であることを明らかにした。しかしながら，その長時間の絶縁破壊強度は未解明であり、その基礎的な特性として耐電気トリー性を取得する必要がある。