屈折率センシング光コムの共振器ファイバー表面修飾を用いたバイオセンシング

摘要

バイオセンサーとは、抗体抗原反応など特定の生体分子を定量的または選択的に測定可能なセンサーであり、遺伝子工学や医療分野で広く利用されている。従来のバイオセンサーは、トランスデューサーなどの信号変換素子により識別分子の信号/電気信号変換を行い、検出していた。中でも高精度/高感度/耐環境性といった利点を有する光トランスデューサー型バイオセンシングは、これまでに多く報告されている1)。しかし、従来の屈折率依存型光スペクトルシフト計測において、ブロードなスペクトルに対する微少なシフト量のため測定分解能が制限されてしまうという問題が挙げられている。そこで我々はマルチモード干渉(MMI)ファイバーセンサーを組み込hだ屈折率センシング光コム(Fig.1)を提案している。この手法では、屈折率依存型光スペクトルシフトを、共振器ファイバーの屈折率分散を介して光/RF 周波数変換し、光コム周波数間隔（繰り返し周波数）f_(rep) として読み出すことで、高感度/高分解能/広範囲な屈折率計測を実現している2)。本報告ではMMI センサー部分に抗体分子を固定することで、特定タンパク質との化学結合を繰り返し周波数f_(rep) のシフトとして計測することを目的としている。